目黒蓮、『舞いあがれ!』で示した俳優としてのプロフェッショナルさ 緻密な分析力が光る
・思いもしなかった展開が続く朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)において、これからの動向がもっとも気になる目黒蓮。ヒロイン・舞(福原遥)が故郷の東大阪にいるため、目黒が演じる柏木は恋人でありながら出番が一気に減りつつあるのが現状だ。物語全体に漂う苦しい空気。彼の動きによって流れは変わるのだろう。ここで一度、“目黒=柏木”が本作で残してきた功績を整理してみたい。
・柏木が初めて登場したのは「航空学校編」でのこと。周囲の誰からも愛される舞が航空学校へと進むことを決意した直後、その強い意志を叩き崩そうとしたのが彼であった。本作的には数少ない、いわゆる「イヤなヤツ」であり、それなりに順風満帆な人生を歩んできた舞が自ら選んだ苦難の道の、最初の壁といえるものだったのではないだろうか。演じる目黒の鉄仮面と棘のあるセリフの語調は、いち視聴者としても気持ちのいいものではなかった。
・その後に柏木は航空学校でできた仲間たちと夢に向かって青春を謳歌し、ついには舞の恋人にもなった。基本的にいつもクールなキャラクターであることに変わりはないが、物語の展開に合わせて彼の声や表情は繊細かつ豊かに変化しているのを誰もが感じていたと思う。柏木が舞や私たち視聴者に与えたファーストインプレッションと、いま彼に抱いている印象はまるで異なるものだろう。急に恋愛要素が導入された際には呆気にとられてしまったが、目黒は柏木の感情のグラデーションを場面に合わせて表出させ、福原との二人三脚で健闘していたものだ。
・本作の公式ガイド『連続テレビ小説 舞いあがれ! Part1』(NHK出版)で目黒は柏木役について「その成長過程を表すため、柏木の感情を整理して一つ一つ段階を踏むよう意識しながら演じています。撮る順番は前後しますが、つながるように1シーンごとに計算して演じるのが楽しくて。完成形を思い浮かべ、そこに向かってコツコツと積み重ねることに楽しさを感じています」と述べている。やはりそうなのだ。目黒は柏木という人物を分析・考察し、そのキャラクターをロジカルに組み立て、自ら作品にフィットしていく演技を実践していたようである。
・たしかに、柏木はスポットの当たる主要人物の一人ではあるが、『舞いあがれ!』はヒロインである舞の物語だ。主軸のストーリーラインを強固なものにするため他の登場人物にフォーカスする瞬間は多々あるが、それでも繰り返すように、これは舞の物語なのである。彼女の周囲のキャラクターを演じる者たちは、自らどのようにヒロインと、ひいては作品と関わるべきかを思案し、それを実際の演技に移していかなければなならない。1話だけ登場するゲストならまだしも、あまりにも自由な振る舞いは許されない。脇を固める者たちは誰もが、脇を固めることに徹さなければならないだろう。
・ 自身の役を作品の中でどう位置づけるか。そして、シーンごとに舞に対してどのような位置にいるべきかーー。こういったところに演技経験の差が出るのだろうが、まだ短い俳優としてのキャリアの中で自身の立ち位置を自覚している目黒は非常に頼もしい。さらにガイド内の発言では、「セリフで使う航空用語も、一個一個調べます。意味が分からないまま丸暗記するのは無理ですし、頭がいい柏木が岩倉に勉強を教えるシーンがあるので、僕も細かく理解しておかないと」と続けている。プロの俳優であればこんなのは当たり前のことだろう。しかし実際にフライトシーンなどで目黒が口にしていた難しい航空用語は、迅速かつ冷静で正確なもので、徹底して身に染み込ませていたのであろうことがうかがえた。プロフェッショナルである。
・そんな目黒が同作と並行してドラマ『silent』(フジテレビ系)と映画『月の満ち欠け』にも顔を見せていたのは多くの方がご存知のことだろう。ここで各作品までには言及しないが、表現の形式が異なる3作品で俳優としての顔を世に見せることができたのは、かなり大きな経験になったはず。そしてこれらの3作品を並べたとき、異質なのはやはり『舞いあがれ!』だ。物語そのものの感情(=展開)の起伏がもっとも激しい。そこで目黒は、端的にシーンの空気を変える役どころを担ってきた。物語がどう進んでいくにせよ、彼の力がいま求められているのではないだろうか。
1月13日
目黒蓮、『舞いあがれ!』で示した俳優としてのプロフェッショナルさ 緻密な分析力が光る(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース
目黒蓮
目黒 蓮(めぐろ れん、1997年〈平成9年〉2月16日- )は、日本のアイドル、俳優、ファッションモデル、歌手。男性アイドルグループ・Snow Manのメンバー。愛称は、めめ
ネット上のコメント
・役者さんは頑張って演じてただけに凄く残念。 柏木君はお父さんとも雑魚寝してた位の仲なのに。 電話のすれ違い程度でお別れは説得力がない。 せめて、舞がイワクラを継ぐかもと薄々は感じてはいたけど、そんな重大な事を独りで悩んで独りで決める前に俺に相談して欲しかったとか、俺はそんなに頼れる存在じゃなかった?みたいなやり取りがあれば別れに納得できたと思う。 これじゃ、パイロットにならない舞ちゃんは自分とは違うからハイ、さよなら感しか残らなくて残念。
・お兄ちゃんや柏木の考えが正当だと思うけれど、舞ちゃんの気持ちもわからなくはないかな。でも、駆け落ち同然だった、経営ほぼ素人母が、いいんやな?ってないかなと思う。とにかく必死だし、夫が守ってきたものを守りたいし、というのはわかるけど、そんなのもっと前から娘の性格や状況が見えてなくて、今の所、周りをふりまわしているのは、ほぼ母だなと感じました。最終的に皆が幸せに終わるストーリーかもしれないけれど。柏木は、もともとそういう性格が感じられたお芝居だったので、やっぱりと思いました。 ちょっとシラケてしまい、見るのが苦痛になってきました。
・なんで好きになって、なんで別れたのか、非常に分かりかねる舞と柏木の恋愛でした。はっきり言って、ばっさり切っても物語に何の影響もないような、どうして何のために柏木との恋愛を挿入したのかと思うばかり。
・現実なら…。お兄ちゃんの判断が一番正しいですね。 天国のお父ちゃんも、素人経営者に任せて会社を繋ぐことより、M&Aでも何でも、イワクラの技術や従業員が働ける環境が続いた方がよくて、素人血縁者に後継ぎを求めているわけじゃないと思います。 子供達が別々の夢を見つけて欲しいのは、生前から公言してるに、家業にこだわる母ちゃんとマインちゃんは大間違いだと思いますね。 これで、簡単に経営改善されたら、ちむどんと変わらないかな。 まぁ、視聴者が考えつかないストーリーに期待します。
・脚本、雑すぎませんか? 大阪まで来てお父ちゃんにお線香あげるシーンもなく、尺の関係ならばナレーションでもよかったのに。 そもそも恋愛が必要だったかのか疑問に感じます。別れのシーンだって、あれじゃあ、どちらから、なぜ別れなきゃいけないのか(恐らく、舞から進むべき道が違うから等だとは思いますが…)もう少し丁寧な描写で描いて欲しかったです。
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