日本経済が「大復活」を遂げるためには、なにより政府・日銀の「辛抱強さ」こそが重要になる…!
・「低所得・低物価・低金利・低成長」の「4低」が「ふつう」になった日本。かつての経済大国「高い日本」がなぜこんな「安い日本」になってしまったのか。
・気鋭のエコノミスト永濱利廣氏は著書『日本病――なぜ給料と物価は安いままなのか』で、この「4低」状況を「日本病」と名付け、その原因と、脱却するための道筋を考察する。
・アベノミクスで物価は上がりかけたのに、なぜ日本はデフレから脱却できなかったのか? バブル崩壊以降政府と日銀が繰り返している同じ過ちとは? 『日本病――なぜ給料と物価は安いままなのか』から見てみよう。
・「今日より明日は良くなる」というメンタルが必要
・金利が低くなるのは、お金の需給が逼迫していない(需要が足りない)からでした。
・これをさらに踏み込んで言えば、「今のお金より将来のお金のほうが大事」と思う人が多い、ということです。よって金利を上げるには、逆に「今のお金のほうが将来のお金より大事」だと、人々のメンタルが変わることが必要になります。
・今のお金のほうが大事と思えるための最大のポイントは、「今日より明日は良くなるだろう」という楽観的な気分です。将来が楽観できれば、収入からそれなりの割合でお金を使うようになり、経済が回り出し、企業の収益も上がって賃金も上がるという好循環が生まれます。日本にもこうした好循環が生まれることが、金利を回復させるためには必要です。
・経済学的には、以下の「フィッシャー方程式」という金利とインフレ率の関係を示した理論があります。「名目金利=実質金利+期待インフレ率」という式で表されます。
・そして、実質金利は長期的に期待される経済成長率を示すことになりますから、金利が決まるメカニズムを「その国の期待される経済成長率とインフレ率の和」という式で説明するものです。
・「名目金利」とは、物価変動の影響を調整していない、額面どおりの金利のことでした。日本では中長期的な実質金利と類似する潜在成長率も0%台、期待インフレ率もインフレ目標の2%に遠く及びませんから、諸外国の水準まで金利が上がりようのないことがわかります。
・少し難しく見えますが、要は、「景気が将来良くなるだろうという期待」と「物価が上がるだろうという期待」が高くなれば金利は上がるということです。
永濱利廣
早稲田大学理工学部工業経営学科卒、東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。 第一生命保険に入社後、日本経済研究センターに出向。現在、第一生命経済研究所経済調査部首席エコミスト。内閣府経済財政諮問会議政策コメンテーター、総務省消費統計研究会委員、景気循環学会理事兼事務局長、跡見学園女子大学非常勤講師。2015年に景気循環学会中原奨励賞受賞。著書に『エコノミストが教える経済指標の本当の使い方』(平凡社)、『エコノミストが実践するどんな相手も納得させるレポート作成術』(青春出版社)ほか多数。趣味は車、ゴルフ、体を鍛えること等。一男(高2)一女(中2)の父
ネット上のコメント
・政府と日銀で経済が良くなるのなら、それは 「計画経済の社会主義経済か共産主義経済」 でしょうね。 で、日本の企業の足腰が弱いのは、 「結局、政府が助けてくれる」 という"甘え"でしょうね。 「政府という"ママ"に文句を言えば、怒らずに助けてくれる」 という"マザコン体質"とも言えるでしょう。 先進国として立ち直りたければ、"もっと自立しろ!"と言うべきなんじゃないでしょうか?
・次期日銀総裁は元FRB議長、ノーベル賞受賞者のバーナンキ氏にするくらい思い切った起用をしてもらいたい。あまりにも説明能力ない人が多すぎる。首相、財務大臣、危機あおりする財務官僚など金融知識のない人が多すぎる。
・こういう記事を沢山読めるようになった時に国民の大半が知る事になったという事なのでバンバンこういう記事を書いてもらいたいですね。
・とにかく生活しやすい社会にして欲しい、お金に困らない政治家が施策するから本当の苦しさが理解出来ていないのかと思ったりします。
・批判者ばっかりでお手本見せられる人間が全くいない状況では日本の衰亡は止まらない。もうインフラ破綻が始まってる。