博士だけのアイドルグループ「PhD48」始動 “任期付きアイドル”はポスドク問題への風刺? 発起人に意図を聞いた
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博士だけのアイドルグループ「PhD48」始動 “任期付きアイドル”はポスドク問題への風刺? 発起人に意図を聞いた

記事によると…

さまざまなコンセプトのアイドルがしのぎを削るなか、メンバー全員が博士号持ちのグループ「PhD48」プロジェクトが立ち上がり、ネットで注目を集めています。発起人にして物理学者の武田紘樹さんに話を聞きました。

・※PhD=Ph.D=Doctor of Philosophy(博士号)  PhD48は、「メンバー全員博士号持ちのアイドルグループを作ろう」という、武田さんのツイートがもとで誕生したオーディション企画。研究者の多彩な個性を発信することで、学問と研究をもっと身近にしようという企画のもと、多くの研究者や博士課程の大学院生を対象に、春ごろからメンバーを募ってきました。  メンバーに応募してきた法学専門家から、AKB48グループと酷似した名称が「不正競争防止法の混同惹起行為に当たる可能性がある」との指摘もあったことから、当初はオーディション名の「博士アイドル化計画」で活動。パロディとはいえ筋は通すべきといった考え方から、のちにAKB48グループの運営会社に許諾を求めたところ、快諾を得られたということです。  現在は第2次審査として、“推し本の布教”をテーマとするプレゼンを実施中。ネットでは「論文の査読が通ると握手券1枚」「学術的なMCに期待」「ライブ中に『私、この分野に関しては素人なんですが』って合いの手が入りそう」「箱推ししたい。科研費を投げ銭したい」などと、さまざまな反応を呼んでいます。  

編集部は武田さんを取材し、企画の経緯や今後の展開について話を聞きました。

―― この企画を始めたきっかけについて教えてください 武田さん 4月ごろに現実逃避して「研究は儲からないから博士だけのアイドルグループPhD48を作って儲けようかな」と妻に話したのがきっかけです。その会話をツイートに書いたら反響があったことから、本当に企画することとなりました。

―― 今後の展望や目標を教えてください。いわゆる「歌って踊る」アイドル活動もやっていくのでしょうか 武田さん 歌って踊る活動は私にノウハウがないので現状難しいですが、応募者は「言われたらやる」と結構ノリノリな人が多いです。そのようにアイドルや音楽側の活動に詳しい協力者が現れれば、面白そうですし希望者はやってもいいと思います。

―― PhD48の名称についてAKB48公式に許可を取ったということですが、不正競争防止法の懸念については、それで解決したのでしょうか 武田さん PhD48の名称はAKB48などの48グループをオマージュしているので、許可も取らず活動するのは良くないと思い、当初は「博士アイドル化計画」という名前を使っていました。その後、縁あってAKB48の担当社長様に許可をいただけまして、「AKB48公式に使用させていただく筋は通している」とは言えます。

―― その縁で、名前以外の面でAKB公式と何か連携した取り組みなどを行う予定はありますか 武田さん 名前以外で連携することは恐れ多いのでこちらから伺うことはありませんし、今のところ予定もありません。「学術を身近にしたい」という気持ちはあれど、スタッフ・応募者ともにみんな有志で協力してもらってるので、その活動により誰かに迷惑をかけるということはしたくなかったんです。  

・また、専門家集団が何か浅い判断をするのはダサいので、気持ちよく活動するためには一声かけて許可を取りたいと思っていました。公式とつないでくれた方、またグループ側の寛大な心に感謝したいです。

―― アイドルグループの運営は大変なことだと思われますが、運営スタッフにはどのような人が参加しているのでしょうか 武田さん スタッフも全員アマチュアで、「学術を身近にするためのゆるいアウトリーチ活動」に共感してくれているボランティアです。現役の大学生、大学院生、研究員や会社員などまちまちですが、現在進行形で研究をしている人か、どこかのタイミングで研究に携わっていた人がほとんどですね。

―― 「任期付き」のアイドルグループということですが、活動が期間限定なのか、一定期間でメンバーを入れ替えるのか、いわゆるポスドク問題への問題提起の意図があるのでしょうか 武田さん 「任期付き」は風刺でもありますが、パロディしたほうが面白いですし、ネタを考えるのが楽なのでそうしています。ボランティアである以上、何年もプロデュースして活動を維持することは難しいこともあり、現実的に運営を維持するのは1年程度が限界だなと思ってそう決めました。でないと、私が研究できなくて無職になってしまいます。  今後も継続するかは、支援の仕組みを整えられるか、時間が取れるか、要望があるかといった要因で決まりますから、今のところ未定です。まず、言い出したからには現在の企画に全身全霊を注ぐ所存です。 協力:武田紘樹さん

12月29日 https://news.yahoo.co.jp/articles/7eb27eded1dae17867b2aff2c7ec8e359dc2f2ea

博士アイドル化計画


「博士アイドル化計画」はメンバー全員が博士号を有する、または博士学生の任期付きアイドルグループの設立を目指すオーディション企画です。「メンバー全員博士号持ちのアイドルグループPhD48を作ろう」とTwitter上でこぼした発言をきっかけに開始した活動ですが、グループ名が不正競争防止法の混同惹起行為に当たる可能性があるとメンバー応募者の法学の専門家から指摘されたため、オーディション名で活動します。研究者達の多彩な個性を発信することで、社会のより多様な層にまで学術研究を身近に感じてもらうことを目的とします。

社会の大部分の人達は必ずしも研究自体に強い関心を持っているとは限りません。研究者達の存在そのものの魅力を広く届けることで「この国にこんな面白い研究者達がいて、実はその人達がこんな面白い研究をしてるらしい」と社会の人々が学術研究を知るきっかけを作れたら幸いです。

また、この活動に伴う試行錯誤が社会と学術をゆるく結ぶ新しいアウトリーチ活動の形を探る糸口になることを願っています。

ネット上のコメント

人によっては、学問もアイドルもなめている、と怒る人もいるかもしれないけれど、これはこれで面白いと思う。

優秀な博士号保持者の能力を無駄遣いしてほしくないし、政府や企業や社会が彼らの能力を有効活用できるようになってほしい。という願いが一番ですが、博士の現状を一般の人にも広く知ってもらうきっかけとしては良いと思いますし、研究成果を他人に伝える発信力を養う意味でも、面白くて価値のある活動だと思います。

今日経済的な理由で大学や博士(前期、後期)課程に進めない人がいると思う。それは将来の技術者の芽を摘んでいることになるので日本の未来に対してマイナスであると考える。あと20年もすれば日本は技術立国から陥落すると私は憂慮している。

どうなっていくのか、楽しみです。見る方も、アイドルという固定観念に囚われた過度な期待を持つのではなく、研究者から見たアイドル像はどのように描かれるのか、その経緯も含めて楽しむ余裕があると良いように思いました。

当方も研究者として思うのだが、せっかくの努力を無駄にはしてほしくない という反面、企業にドクターを起用できるだけの器、ポジションが無い。つまりそれだけの技術は必要ないという状況というのも問題。政府は技術を盛んにするための後押しをしてほしい。さらには、理系に理解が示されるように社会勉強してほしい


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