愛知の研修医、救急車で駅に送らせ下車 消防「タクシーと違う」
・江南厚生病院(愛知県江南市)の20代の女性研修医が、救急車に同乗して患者を別の病院に送り届けた帰りに、プライベートな用事のため救急車を“途中下車”し、帰路を外れて駅に送ってもらっていたことが市消防本部などへの取材で判明した。同本部は「医師から強い要望があり応じたが、救急車はタクシーとは違うので誤った判断だった。申し訳ない」としている。
同本部によると16日午後5時20分ごろ、同病院から患者の病院間搬送の要請が入り、救急隊計3人が出動。患者と女性研修医を救急車に乗せ、愛知医科大病院(長久手市)へ搬送した。
・搬送後の帰路途中だった午後6時40分ごろ、研修医から、名古屋市内の名古屋駅や伏見駅で降ろしてほしい旨の打診が救急隊にあった。救急隊は「困難です」と拒否したが、研修医は「(帰路近くの)藤が丘駅ならばどうか。上長(上司に当たる医師)から許可は得ている」とさらに求めた。病院への帰路から数百メートルしか離れていないこともあり、救急隊は渋々送り届けたという。
・病院側の聞き取りに研修医は、プライベートで友人と食事に行く予定で「救急隊には快諾してもらった」と話しているという。上司に当たる医師は事前に研修医に対し、勤務時間外だったことも考慮し、途中下車について「可能な範囲で途中下車できるかどうか救急隊に聞いてみては」と話したという。
・市消防本部は「私用での途中下車は想定していない」としている。病院の担当者は取材に「問題かどうかは、病院ではなく消防側が判断すること」とした上で「市との見解に食い違いもあり、対応は今後検討したい」と話している。【川瀬慎一朗】
12月22日 https://news.yahoo.co.jp/articles/922d7091bd3619b0f6571c8a477b938d0a1466d1
江南厚生病院
愛知県江南市にある江南厚生病院は、高度・専門医療を提供し、尾張北部を中心とした地域の中核病院としての役割を担っている。
ネット上のコメント
・仕事柄、消防署の査察を受けることがあります。4名ほどの消防隊員が来るのですが、彼らはどんな場所でも必ず消防車に乗ってきて、1人は必ず消防車に残ります。理由を聞いたところ、査察のような別業務の途中でも急な出動命令が出ることがあり、そのまますぐに火事現場に急行できるように常に消防車で移動し、1人は残って車載の消防無線を受信しているのだそうです。 この救急車も、本部に戻るところとはいえ、その途中で急に救急現場へ向かうよう司令が出ることも考えられます。そうでなくても、一刻も早く本部に戻り、いつ来るかわからない次の出動に備えるのが本来の役割のはず。寄り道して人間を運んだというのは、ちょっと考えられないですね。
・正しいかとかの話じゃなくて、こういうしょうもないことをするな。と言いたい。 医者なら命に対する高い倫理観があると思う。 なら救急車は何の為に存在するのか、とか少し考えたらわかること。 もし、次に出動があったとき消防署に直帰しなく駅に寄ったから助からなかった。とかありえる。 まぁまだ若いお医者さんだから、良く反省して成長して頂きたいですね。
・余程の理由がなければ転院先から医師を自院に送り届ける義務は消防にはないはず。転院の際、病院側も帰路のタクシーチケットを同乗医師に渡すなどしている病院もある。しかし、消防側もいつも救急患者を受け入れしてくれる病院側に忖度し、帰路も送り続けていることが常態化している。そういった慣例があるからこのような事態を招いてしまう。総務省消防庁などから各自治体にしっかりと通達し、改善に向けて取り組んで欲しいと思う。
・このような事が公表された事は、まず消防側にも問題意識があったとして良かった。最初はこのような形で始まり、さらに私的な利用に広がることも考えられます。 当事者の女性医師は全くこれが問題とは思わなかった思われますが、今一度、医師の仕事が命を守る職業である事。その命を守るために、消防の方が日々尽力していただいている事。 それは、私的な使用は許されないことをしっかりと認識して欲しい。
・病院の中には「救急車はタクシーではありません」ってポスターありますけどね。