
企業、賃上げ表明続々 人材確保に危機感 春闘
・2023年春闘の労使交渉に先行する形で、企業の賃上げ表明が相次いでいる。
・持続的な成長のため、デジタル人材を中心に企業間で争奪戦が激しくなっていることなどが背景にある。デフレや経済の低成長が続いてきたことで、日本企業の平均給与は欧米や韓国などにも見劣りしており、人材の海外流出への危機感も強まっている。
・賃上げ幅では、連合が目標に掲げる「5%程度」を上回る例が増えている。任天堂の古川俊太郎社長は7日、全社員の基本給を10%増額するベースアップ(ベア)を4月に実施すると明らかにした。23年3月期連結決算は減収減益の見通しだが、古川氏は「競争力の向上へ優秀な人材の獲得が不可欠だ」と説明する。
・化学メーカーのクラレはベアと定期昇給を合わせて8%程度の賃上げを表明した。川原仁社長は「人にしっかり投資をすることで、将来の収益を生みだす好循環を目指していく」と強調。ガラス大手AGCもベアと定期昇給を含め平均6%程度の賃上げを検討すると発表した。
・カジュアル衣料「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングは年収で最大40%の賃上げを発表した。日本電産は、23年度からグループ全体で社員の平均給与を7%引き上げる方針。同社は、25年度までに社員の平均給与を30%引き上げる計画も示している。
・経済団体関係者は「春闘では個別の会社の取り組みは埋もれてしまう。先取りして(採用に向けて)アピールする狙いがあるのだろう」と指摘する。約5%の賃上げ方針を1月に打ち出した生活用品メーカー、アイリスオーヤマの大山晃弘社長は「採用面でポジティブな反響があった」と明かした。
・日本総合研究所の山田久副理事長は「グローバルで競争する企業は、国際的に見た日本の賃金水準の低さを意識し始めている」と指摘。その上で「人材を本当に確保できるのか。若く、優秀な人材が外資系などに取られてしまうという危機感があるのではないか」とみている。
2月22日 企業、賃上げ表明続々 人材確保に危機感 春闘
春闘
春闘(しゅんとう)とは、日本において毎年2月頃から行われるベースアップ等の賃金の引上げや労働時間の短縮などといった労働条件の改善を交渉する労働運動である。「春季生活闘争」(おもに労働組合側が使用)、「春季労使交渉」(おもに経営側が使用)、「春季闘争」などの呼称もある。
企業別労働組合が主流である日本においては、個々の企業ごとの労働組合の交渉力の差が大きい。そこで労働者側が団結し、各企業・各産業が毎年同時期に歩調をあわせ団結することで交渉力を高める狙いがある。
ネット上のコメント
・人材確保に危機感は中小企業も同じ。 賃金上げられないなら出ていかれ、 良い人材も入って来ない。そういう会社は いずれ淘汰されていく流れよ。
・これをに機会に万年人材不足とかいいながら最低賃金で常に募集してる企業はなくなれば良いのに。
・ゾンビ企業が淘汰されてそこに勤めている人がより良い企業に就職出来れば好循環ですよね。そもそもゾンビ企業を助ける意味が分からない。
・賃上げを始めるのが10年遅い。 皆が賃上げした時にしてたら、既に手遅れだと思う。同じ賃上げでも効果が薄いのだから。 ただ、やらないよりはマシであり、やらないところは人材は来ないし離れていくだろう。
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