
扶養内で働く〝ちょうどいい人〟 セーブして働くのは「なまけ」?…批判の誤解 「議論はあるべきだが…」
・配偶者の就業を阻害する要因とも指摘されている「130万円の壁」などが国会で議論になっています。そもそも「壁」を意識しながら働くのは、どのような人たちなのでしょうか。(withnews編集部・金澤ひかり)
本意の人と不本意の人
《パートの主婦らが社会保険料を負担しないように時間を抑えて働く「130万円の壁」などについて、岸田文雄首相は1日の衆院予算委員会で「対応策を検討する」と述べ、制度を見直す考えを改めて示した。――「130万円の壁」超えると保険料負担増 首相は「対応策を検討」:朝日新聞デジタル》
・女性の生き方と働き方をテーマに調査を続ける「しゅふJOB総研」の研究顧問の川上敬太郎さんに話を聞きました。
――そもそもなのですが、扶養内で働いている人たちの状況を整理していただけないでしょうか。
・「扶養内で働いている人の理由は様々だと思いますが、本意の人と不本意の人がいます」
・「家計内のやりくりが配偶者の収入である程度まかなえて、本人は家計補助をする程度で十分だという家庭であれば、扶養の範囲内で働いている方がメリットがありますよね。それは『本意の人』だといえます。逆に、配偶者の収入だけでは家計がまかなえない家庭は、そもそも扶養に関係なく働いて収入を得る必要があります」
・「『不本意の人』は『本当はしっかり働きたいけど』というのが前提にあった上で、ちょうどいい条件の仕事が見当たらなかったり、働き過ぎて控除が受けられなくなると「働き損」となり、メリットが少なくなったりしてしまう人があたります」
労働力不足の社会から「要請」の側面も
――2021年にビースタイルホールディングスが行った調査では、収入の上限について聞くと、4割が「上限は気にしない」と答えた一方で、「103万円の壁」(配偶者控除の適用外となり所得税を支払うことになる上限)や「130万円の壁」(上限を超えると社会保険料を負担することになる)を意識している人たちが合わせて約45%いましたね。
・「控除内に収めたいという人たちは、家庭生活や家計のバランスを見たときに、それが『ちょうどいい』人たちです」
・「家のことをする時間もできるし、収入も配偶者の収入補助の役割で十分という考え方の場合、税金の優遇してもらえれば、その分出費が抑えられ、ちょうどバランスがいい人たちです」
・「ただ、これはデリケートな話になりますが、『働く能力があるのにも関わらず、セーブしている』という見方もできます。本人にとっては扶養内で働くことが本意であっても、労働力が不足している社会の中で『もっと働いてほしい』という意見もあります」
――労働力不足の社会からの要請、という意味では、扶養控除があることが社会側からも「壁」になっているという視点ですね。
・「扶養内で働くのが『ちょうどいい』人にとっては、『壁』がなくなると、バランスがくずれることになってしまいます。ただ、全体最適の点からいうと、『壁』は変えないといけない部分でもあります」
・「ただ、この制度は元々あったもので、いま扶養に入っている人は制度があるから利用しているだけ。制度が急に変わると、はざまで損してしまう人も出てくる可能性があります。そのため、少しずつ変えていくのが望ましいと思っています」
――「もっと働けるのに」という人たちが、労働を抑制する理由になってしまっている制度だととらえると、見直しがあってもいいのかなと感じます。
・「注意しないといけないのは、扶養内で働いている人のことを『働きたくないんだ』と評価したり、『なまけている』とみなして『許せない』と感情的に見る人がいることです」
・「感情的に捉えている人の気持ちをひもとくと、その主な理由は、自分にまわってくる『しわ寄せ』に対して不満に思っている気持ちです。「年末近くになると年収調整でシフトがうまらない分をカバーする」など、職場がしわ寄せを最小限にとどめる状況を作るべきであるという業務設計にかかる話なので、そこを混同しないようにしてほしいです」
(略)
2月12日
扶養内で働く〝ちょうどいい人〟 セーブして働くのは「なまけ」?…批判の誤解 「議論はあるべきだが…」(withnews) - Yahoo!ニュース
扶養内パート
扶養内パートとは、 「扶養控除を受けられる所得(年収)の範囲内でお仕事をする」 ことです。 扶養制度には「妻の年収が〇〇〇万円以下」いう所得条件があるので、多くのパート主婦はその年収を超えないように調整しています
ネット上のコメント
・これって少子化と直結している問題なので、壁を取っ払うのは慎重になるべきだと思う。 子供育ててる女性は、この範囲内で少しだけ働いて子供用品購入する程度に働きたい期間がある。
・家庭や本人の事情があるでしょうから、働く量や時間を調整するのは自由かと思います。
・子供に手がかかるうちは時間的にパートタイムで働くのは丁度いいと思う。忙しい朝や登下校時刻は家に居られるので、天候により送迎になっても対応出来ます。(うちは学校から遠く人気のない道も長距離あり心配です) あまり時間が長くなると、親が疲弊することになるので、結局育児や家事がおろそかになって自責することになるかもしれません。(無事に育っていたら疎かにする位私はいいと思いますが。そうせざるを得ない環境のお家もあるのでそれは必然で責めることは何もないと思います) 親が疲弊せず心身ともに元気な状態で子育てや家事が出来る事は大切だと思います。
・各家庭の事情が色々あるから怠けてるとか一切思わない。 ただこの壁の問題は、雇用側が従業員の給与あげようと思っても、時給をあげたら逆に労働時間を短くしたり転職されるかもしれないということ。 せめて今までの仕事量、できればもうちょっと仕事して欲しいのに、給与あげたら逃げられたとかなったら本末転倒。
・扶養範囲内で働くことが怠けてるというのはおかしな話です。ただ、考え方一つである程度収入が必要なら扶養から抜けて働いたほうが 将来的年金額に差がでます。
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